時間は、お金と同様、大変貴重です。お金は目に見えますが時間には形がありませんので、ついそのことを忘れがちではないでしょうか。時間は無限にあるように感じられますが、もちろんそのようなことはなく、失われた時間が戻ることはありません。
 誰でも等しく年を取ります。その時々における時間の量はどの様な立場の方であっても一定量です。ですが、時間を大切なことに使うかどうかの選択肢はあります。限りある時間をいかに価値あることに生かすかが非常に大切です。
 ここでは、時間の重要性に関し色々な角度から焦点を当てていきます。

〈時間価値〉
 時間はどのような方でも等しく過ぎ去っていきますが、使い方によって時間当たりの価値は大きく変わります。
 例えば、時間価値が高いのは、
    ・会社の発展に貢献すること
    ・個人の成長に関すること
    ・家庭の団らん
    ・趣味
など、人によって価値観の違いはありますが、以上のようなことに使うことではないでしょうか。
 なぜなら、
 「会社の発展に貢献すること」で、
    ・収益の増加
    ・やりがい
    ・誇り
    ・面白さ
 「個人の成長に関すること」で、
    ・キャリアアップ
    ・所得の増加
    ・生き甲斐
    ・喜び
 「家庭の団らん」で、
    ・家庭円満の維持
    ・子供の成長への関わり
    ・安らぎ
    ・豊かな人生
 「趣味」で、
    ・生き甲斐
    ・楽しさ
    ・豊かな人生
    ・人との出会い
などを得ることができるからです。
 一方で、データ入力や会計の手書き作業などは、必要ではあっても時間価値が高い使い方とは感じられないかと思います。
 それは、
    ・キャリアアップに繋がらない
    ・成長に結びつかない
    ・つまらない
    ・やりがいを感じない
などの理由からです。この様な体験は、多くの方にとってできれば避けたいことではないでしょうか。よって、データ入力や会計の手書き作業などのような業務は、価値の低い時間の消費だと言えます。そこで、業務改善によりこの作業をなるべく少なくできれば、上記の価値の高いことに時間を使うことができるようになります。

〈費用〉
 いかに費用を減らすかは、皆様共通の課題だと思います。費用を減らす対象として、まず金額が明確なものに目が行くかと思いますが、「時間」も経営に大きく影響を与える費用です。

 

 例えば、会議を開くだけでも費用が発生します。
 仮に、年収500万円の職員が1時間の会議に10人参加した場合

     500万円÷12ヵ月÷21.5日÷8時間=1時間当たり約2,422円
     2,422円×10人=24,220円

の人件費がかかります。場所代・電気代・書類作成費用など他にも要素はありますが、費用対効果で見た場合、少なくともこの会議によって掛かる人件費以上の成果を上げる必要があります。
 つまり、

     時間 = 費用

ということです。
 見落としがちな視点ですが、営業時間が経過するだけで人件費が発生しているということを意識する必要があります。貴重な時間を得られる利益が低いことに費やしてしまってはもったいないかと思います。データ入力などの作業は、時間当たり単価が安いのではないでしょうか。よって、なるべくその様な作業に掛ける時間を減らし、その分、会社の発展に貢献するためのアイデアを創造する時間に充てられたならば、その何倍・何十倍もの時間当たり単価を得ることができるかもしれません。

〈競争力〉
 競争力を高め競合に差をつけることは、どの業種の会社においても課題だと思います。競争力を高めるには資金など物質的な資源を持つことが重要ですが、競争力を高めるための時間を確保できるかどうかも大きく影響してきます。業務の時間の多くをルーティンワークなどの作業に費やさなければならないならば、それ以上会社は成長することができません。会社を成長・発展させていくためには、商品・サービスの品質や提供速度、営業・間接部門の対応力、人事評価制度、人材育成、組織力など多用な要素について「考えて・試して・評価して・改善して・また考えて・・・」、のPDCAサイクルを回し向上させていくことが重要です。そのためには多くの時間が必要になってきます。よって、ルーティンワークなどの作業をいかに減らし、会社の成長・発展に貢献することに時間を配分していくかが、競争力を高める上で重要となってきます。

〈アフターファイブ〉
 データ入力などの作業が膨大である場合、業務システムを作成し作業を自動化することで、残業を削減することができるかもしれません。そうなれば、残業代を抑制できるだけではなく、従業員の皆様の健康にも貢献できます。また、アフターファイブの時間が潤沢にあることで、家庭の時間や趣味に生かすことができ、従業員の皆様の豊かな人生を守ることができます。それにより、従業員の皆様の定着率やモチベーション向上の一助となるかと思います。

〈人材育成〉
 データ入力や伝票の手書き作業は人材の成長に貢献しません。ですが、もし業務システムによる自動化でこの作業を毎日一時間分減らせられたとして、その時間を業務に関係する書籍の読書に充てるならばどうなるでしょうか。おそらく、半年・一年も経てば、それ以前の状態と比べ、従業員の皆様の成長度合いは明らかに違ってくるのではないでしょうか。従業員の皆様が成長すれば、よりやりがいを持って仕事に取り組めるようになり、その結果、会社の売上への好影響が期待できますし、その働きを正当に評価すればモチベーションは高まります。それにより、従業員の皆様と会社が共に成長し続けられます。

〈人事評価制度〉
 従業員の皆様の働きを正当に評価するには、しっかりした人事評価制度が必要です。公平な評価制度は従業員の皆様のやる気を引き出します。ですが、制度制定や制度の不具合箇所の修正、評価対象の働き具合のチェックには時間が掛かります。ゆえに、必要性は感じてはいても日々の業務に時間を取られ、順当に機能させられない会社は多いのではないでしょうか。業務改善により作業を減らすことで時間を確保できれば、人事評価制度の構築・運営に充てられます。それにより、働き具合が正当に評価される、従業員の皆様にとってやりがいのある環境を作り出すことができます。