対象:より的確な経営分析を行いたい方
効果:当座比率と売上債権回転率の関係が理解できます
当座資産は、流動資産の中でもすぐに現金化できるとされている資産であり、現金・預金、売掛金、受取手形などです。そして、当座比率は、流動負債と比較した当座資産の割合であり、
当座比率=当座資産÷流動負債

で計算されます。
基本的に当座比率が高いということは、流動負債より当座資産が多い、すなわち借金より手持ちのお金が多い、ということで良い状態なのですが、ここでチェックが必要になってきます。売掛金や受取手形などの売上債権が回収可能かどうかです。
売上債権は、売上によって近い将来入ってくるお金の権利ですが、例えば相手方の倒産で入金されなくなる、あるいは販売不振で入金が遅れるなどのケースがあります。お金を受け取る権利はあっても入金されなければ紙くず同然です。その場合、例え当座比率が高くても意味がありません。
そこで、ちゃんと売上債権が回収されているかを判断する基準として、売上債権回転率があります。
売上債権回転率=売上高÷売上債権
で計算されます。
もし、この回転率が低ければ、売上債権の回収が上手くいっていない、ということになります。極端な話、売上高が100万円で売上債権も100万円だったなら、売上債権回転率は1回転で売上がまるまる回収されていない、ということになります。一方、この回転率が高ければ、売上をキッチリ回収している、ということです。売上高が100万円で売上債権が1万円だったなら、売上債権回転率は100回転ということで、ガンガン回収しているということです。
よって、当座比率が高くて売上債権回転率も高ければ短期の資金繰りは良好、ということです。