対象:人物像をリアルに描くことで販売力を高めたい方 
効果:そのための思考法について理解できます。

 今回も、お客様の人物像をリアルに描くための思考法についてです。

 前回、販売力を高めるためにはお客様の人物像をリアルに描き、それに応じた商品・サービスを提供するようにすれば、売れない物を販売する危険性を回避できる可能性が高まるのではないか、ということをお話ししました。
 そして、そのためには、
  1.その商品・サービスを欲しがる方の人物像を仮にイメージしてみる。
  2.その人物が対象の商品・サービスを欲しいと思う過程のストーリーを思い描く。
  3.そのストーリーから、今度は少し詳細に人物像をイメージする。
  4.イメージしたストーリーに沿い、どんな商品・サービスが求められるか少し詳細
    にイメージする。
  5.更に詳細にストーリーを描けないか試みてみる。
  6.人物像をより詳細にイメージする。
  7.商品・サービスをより詳細にイメージする。
といった思考の流れになるのではないか、ということでお話ししました。

 今回は、上記の流れに従いどうイメージしていくか、具体的に考えたいと思います。
 たとえば、高級オーダースーツ専門店を開店しようとしている店主を例に話を進めてみます。

〈1.その商品・サービスを欲しがる方の人物像を仮にイメージしてみる〉
 まず、仮に高級オーダースーツを欲しがる人物像を大まかにイメージします。
 ここでは、高級オーダースーツ開店準備中の店主が想像するといった設定です。

店主:
「さあこれから開店に向けがんばるぞ!だけど、高級オーダースーツを欲しがる人ってどんな人だろう。うちで扱おうとしているのは量販店の物よりも高いよな。量販店だと2万円以下で買える商品もあるけど、うちでは基本10万円以上だからね。
 今の時代、2万円以下でも結構いいスーツ買えるからな。買う人って限定されてくるよね。じゃあ、10万円のスーツ買う人ってどんな人だろう。まず結構稼いでいる人かな。でないとスーツに10万円はなかなか出せないよな。
 あと、10万円スーツに払う理由がある人だよね。例えば会社の社長さんかな。社長さんが立派なスーツ着ていると部下に示しがつく一要素になるし、社長さん同士の社交の場でも恥ずかしくないもんな。
 年代はどうだろう、オーダースーツはどちらかというと年配の方が着ていそうだけど、若い社長さんらしい人でちょっと派手目のスリムな物を着ている人もいるな。どうだろう・・・」
 以上のように店主は、お客様の人物像を想像してみました。

 そこから、とりあえず描き出された特徴は、
   所得:結構稼いでいる
   ステータス:社長
   年代:年配のイメージがあるが若い方でもありえる
です。

〈2.その人物が対象の商品・サービスを欲しいと思う過程のストーリーを思い描く〉
 では、その人物が高級オーダースーツを欲しいと思うストーリーを考えてみます。

店主:
「その人物は社長で、年代は年配の方という設定にしてみよう。とりあえず仮定しとかないと想像できないもんな。じゃあ、年配の社長が高級オーダースーツを欲しいと思うまでのストーリーを考えてみよう」

年配の社長(高級オーダースーツ店主がイメージしています):
「今着ているスーツもだいぶくたびれてきたな。職員からスーツを新着する余裕もないなんて思われるとあらぬ不安を与えてしまう。取引先の社長と会う時もこれじゃちょっと恥ずかしいな。スーツがくたびれているという気持ちがあると、気になってしまって商談への集中がそがれてしまうかもしれない。また、ちょっとテンションも下がってしまうな。
 よし、スーツを新着しよう。どれ位の物を買おうか。こないだ行ったショッピングセンターに展示してあったスーツは、結構洒落ていたな。確か3万円位だったかな。あれで十分じゃないかな・・・。いやいや、やはりオーダースーツにしてちょっと差を付けてみよう。社長が量販品を着ていては職員は気を遣うかもしれないし、取引先の社長に身なりで負けた気になるのは嫌だな。そんなことで気後れするのはつまらないな。
 今着ているスーツは高かったけどオーダーではなかった。自分だけのスーツなんて素敵じゃないか」

〈3.そのストーリーから、今度は少し詳細に人物像をイメージする〉
 以上のように高級オーダースーツ開店準備中の店主は、お客様の人物像として仮に年配の社長をイメージし、その社長の思考の動きを想像してみました。そこから、今度は少し詳細に人物像をイメージしてみます。

店主:
「さて、ここまで想像してみて、新たに年配社長のパーソナリティが浮かんできたぞ。ちょっと整理してみよう」

ここで描き出されたことは、
   今の社長のスーツ:くたびれている
   気持ち:部下の自分を見る目が気になる
       取引先の社長に対する気後れ
       テンション下がる
       少し見栄を張りたい
       自信を持ちたい
       自分だけの身なりによる特別感を持つ
です。

 次回に続きます。更に思索を深めてみたいと思います。