
対象:会社の発展に生かせるBCPを作りたい方
効果:BCPについて理解できます。
今回も、BCPをいかに会社の発展に生かすかについてです。
「人材の能力向上」についてです。
BCPは様々な要素により構成されます。緊急時にどれ位の物資が必要か、避難経路はどうするか、どの様な組織を編成するかなど、BCPを作成するには多面的に物事を思索しなければなりません。時間や労力も必要になるわけですが、それだけに、その活動を通じて色々な能力が高まっていきます。
例えば、
・自社に対する理解度
・緊急連絡先・周辺地域に対する理解度
・イメージ力
・段取力
・コミュニケーション力
などです。
「自社に対する理解度」ですが、BCPを作成するには、
・各部署の業務内容
・各部署の人数
・各部署が管理している物品
・社屋や施設の見取り図・防災設備
などについて知る必要があります。
活動を通じて、会社全体を俯瞰し把握することとなります。
そこから、
・物品や行動面での無駄
・部署間での協力体制の必要性
などを知る切っ掛けとなれば、会社にとって有益な提案ができるかもしれません。
「緊急連絡先・周辺地域に対する理解度」では、
・最寄りの消防署、病院、警察、役所等の住所・連絡先
・物品の取引を行っている業者名・連絡先
・電気・ガス・水道等ライフラインを管理している業者名・連絡先
・災害時の避難場所やそこへ至るための経路
などについて知る必要があります。
それにより、大災害でなくちょっとしたトラブルにおいても対応することができ、安心感を持って仕事に取り組めます。他の職員からの相談にも応じられるようになることから、頼られる存在として認められるのではないでしょうか。
「イメージ力」「段取力」では、BCPを作成するに当たり災害時における様々な事象を想像し、どう対処するか事細かにイメージする必要があります。まず何から始めどの様な順番で対処していくか、そのためには何が必要かを考えることは、イメージ力や段取力を高める訓練になります。それにより高められた力は日常業務に応用できるかと思います。
「コミュニケーション力」は、BCP対策を進めて行くに当たり、複数の職員から様々な情報の聞き取りや伝達をする上で重要です。やり取りを重ね高められたコミュニケーション力は、日常業務においても生かせるでしょう。
以上のように、BCPを作成することは多面的な能力を鍛えるブレインストーミングとしての効果が期待できます。そうしたことから、BCP作成に携わるのは、在籍期間の長い方や役職者の方のみならず、新入職員の方においても人材育成の観点から有効と考えます。
次回に続きます。