対象:BCPを作りたい方 
効果:BCPの作成手順について理解できます。

 今回も、BCPをいかに作るかについてです。
 その会社や施設等に即した、実践的なBCPをいかに作るかについてです。

 当然ですが、各事業所により災害発生時等において、
   ・実践すべき行動
   ・避難のために必要な物品やその分量
   ・その物品の置き場所
   ・避難経路
などは異なってきます。

 各事業所・各部署・各職員は、それらの項目について把握し有事の際には手際良く行動する必要があります。
 そのためには、避難等活動について、
   ・考えイメージする
   ・書き出す
   ・話し合いまとめる
   ・実地体験する
   ・振り返る
を繰り返すのが有効と考えます。

 「考えイメージする」では、災害時における多様な事象について詳細にイメージします。一つの方法として、心の中でつぶやきながら状況を想定し、その時々で必要な行動や物品について引き出していくことが挙げられます。

 例えば、高齢者施設で働く男性看護師の行動について、当人が考えイメージしていると想定して思考してみます。

男性看護師:
 「グラグラグラグラ!凄い揺れだ!立っていられない位だぞ。スチール棚が揺れている、今にも倒れてきそうだ。今スチール棚に近づくのは危険だ。蛍光灯が落ちてくるかもしれない、机の下に隠れなければ。棚からファイルが落ちてきた。紙でもあんな分厚いのが頭に当たると結構痛いぞ。机の上に置いてある液晶モニターも落ちてきた。とにかく落下物には近寄らない方が安全だ、落ちるに任せよう。怖いな・・・。
 ・・・うん、揺れが収まったかな。やれやれ。あちこち物が散乱しているな。割れたガラスが散乱している。ナースシューズを履いているけど大丈夫かな。気をつけて歩かないと。自分の安全も大事だけど、患者さん大丈夫かな。安全な場所に避難してもらわないと。廊下は、窓は少ないからガラスの破片はあまりないかもしれないけど、蛍光灯は落ちているかもしれないな。病室は色々散乱しているかもしれないぞ。ストレッチャーや車イスでの移動は可能かな。年に2回は火災訓練をしているけど状況は違うよな。訓練のような訳にもいかないだろうし。第一、訓練の時の患者さん役は職員だった。本当の患者さんを避難させるのは大変だぞ。ストレッチャーや車イスがダメなら背負っていくしかないな。おっと、だけど最低限の救急救命の道具や医薬品なんかは必要だぞ。ひとまとめにして置いておけば便利だな。かばんに入れて分かりやすい所に置いておくといいぞ。かばん?だけどかばんだと患者さんを背負って避難させるとき片手が使えないからかなり不利だそ。リュック?リュックだと確かに両手が使えて便利だけど、リュック背負いながら患者さんを背負うのも難しいな。肩掛けかばん?うん、肩掛けかばんがいいかもしれない。これだと、たすき掛けで身に付けることで患者さんも背負えるぞ。
 そういえば、どこに避難すればいいのかな?まず外が思い浮かぶけど、必ずしも外が安全とも言えないな。館内の崩れにくく最適な広さがある場所を避難場所に指定しておいた方がいいよな。そりゃそこだって必ずしも安全とは言えないけど、一応決めておいた方がいいよな」

 もしも、想起しづらい場合は、避難に関する動画などを見るとイメージしやすいかもしれません。ユーチューブに関連したコンテンツがアップされています。一例として「石巻赤十字病院 東日本大震災 初動の記録」とキーワード検索すると、「【日本赤十字社】石巻赤十字病院~東日本大震災 初動の記録~」というタイトルの動画がアップされます。
 ・「【日本赤十字社】石巻赤十字病院~東日本大震災 初動の記録~」
 これは東日本大震災の時の石巻赤十字病院の活動記録ですが、訓練の様子と思わせる程職員の皆さんが機敏かつ整然と救助活動を行っておられます。業種や施設の形態が違う場合でも参考になるかと思います。

 次に、「書き出す」です。まだまだ考えなければならないことは沢山ありますが、とりあえずここまで考えイメージしたことを書き出してみます。

 想定できたことは、
   ・スチール棚の側にいると危険
   ・落下物は放っておく
   ・蛍光灯の落下
   ・机の下に身を隠す
   ・床に割れたガラスなどが散乱
   ・ナースシューズで大丈夫か
   ・自分の身を守る
   ・ストレッチャーや車イスは使えるか
   ・場合によっては患者さんを背負って避難
   ・最低限の救急救命器具は揃えて分かりやすく取りやすい所に置く
   ・救急救命器具は肩掛けかばんに入れておくと良いのでは
   ・避難場所は指定しておく
などです。
 次回に続きます。