対象:プログラミングを通じて得られる能力について知りたい方 
効果:プログラミングがもたらす能力面での副産物について知ることができます。

 前回は、プログラミングによって磨かれる能力に関し、発想力について考えました。プログラミングによるシステム開発に着手することで、「考え→発想する」という工程を繰り返し発想力を鍛えることが出来ます。今回も、更に考えを進めていきたいと思います。

 考えることは発想を作り出す下地となります。何も考えないで新しい発想が生まれることは基本ありません。ニュートンは万有引力を木からリンゴが落ちる様子を見て思いついたと言いますが、もちろんそれに関することについて何も考えていなかったわけではありません。学習と思案を長い間繰り返し、ある時リンゴが落ちたのを見て閃きました。

 このエピソードから分かることは、発想を生み出すにはまず特定のテーマについて思案することが基本的に必須条件だということです。ただ、一方で「リンゴが落ちるのを見る」という行為は「考えること」ではありません。万有引力発見以前の「あーでもないこーでもない」と考えている時間の中では発想に至らず、リンゴが落ちるのを見るという、いわば無思考の状態で気づきを得ました。つまり、発想力を高めるためには、思考→無思考→思考→無思考→思考・・・の繰り返しが有効であると考えます。ある課題について考え続け、トイレに行った時にフッと答えが浮かぶ経験があるかと思いますが、同様の現象と言えます。

 この無思考の状態から浮かぶアイデアは、潜在意識から発生したものと思われます。意識には潜在意識と顕在意識があります。顕在意識は、考えていることを分かって考えている状態であり、潜在意識は、考えていることを分かっていないけど考えている状態です。

 例えば、スーパーでみかんを買うとき、色つやをよく観察して「これは酸っぱそうだからやめておこう」と考えるのは顕在意識による働きであり、特に考えてはいないが一見して瞬時に酸っぱいと判断する場合は潜在意識による働きです。先程の無思考の状態でリンゴが落ちるのを見た際にニュートンの頭の中で起きたことは、顕在意識では何も考えて無くても潜在意識では万有引力について考えた現象だと推測します。

 顕在意識に比べ潜在意識の働きは遙かに大きく、割合的には顕在意識が意識全体の1割に対し、潜在意識は9割ほどを占めます。歩いている時、自然と手足が交互に前に出るのは潜在意識による働きです。もし、「最初は右、次に左、次に右・・・」と考えながら歩くとしたらぎこちない歩き方になると思いますが、その時は顕在意識を働かせています。潜在意識は起きている、寝ている時関係なく24時間活動しています。そして、消化や新陳代謝、呼吸や心臓の拍動などの生命維持活動も担っています。私たちは自分の意志で体を動かすことはできますが、内臓の働きを操作することはできません。

 その様に、私たちにとって無くてはならない潜在意識ですが、発想を作り出す点においても大きな役割を担っています。
 次回に続きます。