
対象:災害時、避難に役立つ装備を知りたい方
効果:避難に役立つ装備を体の部位ごとに理解できます。
今回も、災害時、避難に役立つ装備についてです。
足を守る装備として靴・上履き・スリッパについてです。前回は室内対応ということで上履き・スリッパについてお話ししましたが、今回は室外における靴について考えたいと思います。
災害時に避難するためには足元を守る必要がありますが、室外は室外以上に危険な可能性が高く、室内以上に頑丈な履物が必要です。
〈室外〉
地震や台風などの災害が発生した場合、室外では飛散したガラス・釘や瓦礫が散乱し、通常の靴では破れてケガをしてしまう恐れがあります。また、防災靴は避難だけではなく、災害が収まった後の撤去作業においても重要な役割を果たします。よって、防災靴は、室内用の防災スリッパの踏み抜き防止機能に加え、より高い防水・防寒・耐久性などが要求されます。あと、折りたたみ可能な物で防災袋等に入れておけば、いざという時に持ち運ぶことができます。
〈防災靴を選ぶ基準〉
選ぶ基準として、
・鋭利な物を踏み抜かない
・頑丈な材質
・脱げにくい
・滑りにくい
・防水性
・動きやすい
・持ち運びし易い
・JIS規格かJSAA規格の安全認証
などがあります。
〈JIS規格とJSAA規格について〉
安全性において防災靴を選ぶ基準として、JIS規格とJSAA規格があります。
両者の違いは、
・JIS規格は強度を重視
・JSAA規格は履きやすさ・動きやすさを重視
ということです。
・JIS規格は強度を重視
JIS規格は、
・基本性能:耐衝撃性能・耐圧迫性能・表底のはく離抵抗
・付加性能:漏れ防止性能・耐踏抜き性・かかと部分の衝撃エネルギー吸収性・
足甲プロテクタの耐衝撃性・耐滑性
・素材:総ゴム製・牛革製
などです。
以上の性能により、耐久性があり、突き刺し・引っ張り・防汚・水や油の侵入などに強い特徴が証明されます。
・JSAA規格は履きやすさ・動きやすさを重視
JSAA規格は、
・基本性能:耐衝撃性能・耐圧迫性能・表底のはく離抵抗
・付加性能:漏れ防止性能(ブーツのみ)、耐踏抜き性、かかと部分の衝撃エネルギ
ー吸収性、耐滑性
・素材:革・合成皮革・人工皮革・プラスチック・ゴム・編み物
などです。
JSAAの規格は、作業現場などでも使用が可能な安全性を施したスニーカーとして認める規格です。JSAA認定A種、JSAA認定B種に分かれています。A種は普通作業用の規格、B種は軽作業用の規格です。A種のほうがより頑丈で安全性が高い規格です。
耐荷重性、突き刺し、引っ張りなどにおいてJIS規格のほうがJSAA規格より1.5倍程強固ですが、JSAA規格は靴の安全性に加え疲れにくいことも基準になっています。そのため、JIS規格のものより強度が落ちる人工皮革やビニールレザークロスなどの素材も可能で、履き心地が良く、軽い、蒸れにくい、疲れにくいなどの利点があります。
〈防災靴の製品〉
防災靴には以下のような製品があります。
[JIS規格]
・ミドリ安全 静電安全靴 JIS規格 救急隊仕様RT119
長時間の屈み作業での足への負担軽減や、靴の脱ぎ履きがしやすい設計がされています。滑りにくく、静電気帯電防止性能を有しており、ラバーテックソールは耐熱性に優れています。反射ラインにより、夜間・暗闇でも安心です。また、氏名札を差し込めるポケット付きで、履き間違えを防止する機能が付いています。
[JSAA規格]
・ミドリ安全 安全作業靴 JSAA認定 踏み抜き防止版入りSL603 P5
JSAA認定 B種の規格品です。軽量でクッション性に優れており、足にかかる衝撃を軽減します。リフレクターにより光を反射させ、夜間でも自分の位置を知らせることが可能です。0.5ミリのステンレス製踏抜防止板内装により、災害時の瓦礫などから足元を守ります。
次回に続きます。