対象:効率的に防災用品データを管理したい方 
効果:防災用品データで備えておく項目について理解できます。

 今回も、防災用品データをいかに管理するかについてです。
 前回は、災害時に速やかに対処するため、利用できる状態の品物を迷わず取りに行くことができるようにしておくことが重要とお伝えしました。そのための、防災用品のデータベースを作成する項目名について、〈物品名〉〈内容等〉〈製造元・製造元電話番号・製造元メールアドレス〉のことに関しお話ししました。引き続き項目名について考えていきます。

〈分類〉
 用品は分類分けすると管理しやすいです。分類分けされていないと、どの様な物があるのか把握しづらくなります。用品によりカテゴリー分けすることで、整理しやすく把握も楽になります。また、防災用品の費用を計算する上で、何の分類にどれだけ掛かっているのか分かり、予算配分もし易くなります。

 分類の項目としては、
  ・衣類
  ・日用品
  ・衛生用品
  ・口腔衛生用品
  ・電化製品
  ・器具
  ・飲食料
  ・食器
  ・車両
  ・貴重品
  ・車載用品
  ・その他
などがあります。
 この分類に家庭用の物品を当てはめると、
  ◯衣類
    夏は汗対策で着替えを多めに、冬は防寒対応、など季節に応じて
  ◯日用品
    筆記用具、軍手、うわばき、キッチンばさみ、食品用ラップ、ポリ袋、マッチ、
    ライター、テッシュ、ウェットテッシュ、トイレットペーパー、綿棒、布テー
    プ、手ぬぐい、ふろしき、レインコート、ストッキング、ホイッスル、各種ド
    ライバー
  ◯衛生用品
    下着、タオル、使い捨てマスク、医薬品、クリーム、予備メガネ、生理用品
  ◯口腔衛生用品
    歯ブラシ、歯間ブラシ、歯磨き粉、コップ
  ◯電化製品
    携帯電話、アダプター、懐中電灯、ラジオ、充電器(電池式・手回し)、
    各種乾電池
  ◯器具
    平バール(非常時に部屋から脱出する時などに活用)
  ◯飲食料
    非常食(缶詰、アルファ化米等)、飲料水
  ◯食器
    スプーン、フォーク、紙コップ、紙皿
  ◯貴重品
    通帳、印鑑、保険証、マイナンバーカード、
    現金(公衆電話でも使えるよう10円玉も)
  ◯車両
    自家用車
  ◯車載用品
    ブースターケーブル、脱出ハンマー、ホイッスル
  ◯その他
    防災マップ、防災に関する書籍
などが考えられます。

 項目名から得られる気づきもあります。
 例えば、高齢者の方や小さいお子さん、ペットがいるご家庭では、
  ◯高齢者の方
    義歯洗浄のための用品、口腔ケア用品、歩行のための杖、老眼鏡、お薬手帳
  ◯小さいお子さん
    オムツ、粉ミルク、離乳食、母子手帳、お薬手帳、
    おもちゃ(気持ちを落ち着かせる効果)
  ◯ペット
    ペットフード、トイレ関連用品、お薬手帳、
    首輪(迷子対策として、飼い主の名前・連絡先を記載しておく)
などが考えられます。対象の方がおられる場合、上記の項目名に、「高齢者用品」「子供用品」「ペット用品」などの分類名を追加します。中には複数の分類に属する物もありますが、その方特有の物はひとまとめに分類しておけば分かりやすいかと思います。
 他にも、各人や家屋等に応じて色々と必要な物があるかと思います。避難のためには何が必要なのか考え、備えてみてください。
 また、
  ・物品の品質が確かな物であること(性能試験を合格した等)
  ・リュック等に入れ持ち運ぶ物については重さも考慮して備えておくこと
などが大切です。
 あと、避難用具の管理について「BCPをいかに作るか(12)避難用具の管理」でもご紹介させていただきました。ご参照ください。
 次回は、施設を対象とした、分類に当てはめた物品について考えてみます。