対象:業務改善を実践したいがなかなか踏み切れない方 
効果:期限の視点から、業務改善を実践する気持ちの高め方が身に付きます

 何か新しいことを始める上で有効なのが、期限を決めることです。「○○年○○月まで実現」と自分に約束するのとしないのとでは、実行される確率がかなり違うと思います。期限を決めないと、「いつかはやろう」と何となく思い、気がつけば着手せずかなりの時間が過ぎていた、ということもあるのではないでしょうか。これが期限を決めることで、どこか心の片隅で意識するようになり、少しずつではあっても実行していく可能性が高まります。さらに効果的なのが、他の人に宣言することです。言ってやらなかったら恥ずかしいので強制力が働きます。期限は紙に書くなどしていつでも見られる所に貼っておくと更に効果的です。クリアファイルに入れて時折確認するのも良いでしょう。

 次に、期間の区切り方についてです。短期間で達成できることならばゴールの期限だけ設定しておけば、あまり予定からはずれないかと思いますが、長期目標の場合、中間ステップで当初思っていた以上に手こずってしまい、予定より大きくずれてしまう可能性があります。そこで中間のチェックポイントを設定しておくと効果的です。

 例えば、「事務業務を自動化する」平成29年10月20日スタート、というプロジェクトを立ち上げる場合、以下のような計画を立てます。

  目的:事務業務自動化
  効果:毎月約2日の作業時間短縮
  実施期限:平成29年12月10日
  中間ステップ:
   第1チェックポイント:書類の整理
     期日:10月25日
   第2チェックポイント:仕事の洗い出し
     期日:10月30日
   第3チェックポイント:仕事の合理化
    (必要ない仕事の削除、まとめてできる仕事を一つにする、
     仕事の単純化、新しい書式の作成など)
     期日:11月13日
   第4チェックポイント:業務システム作成
    (作業の自動化などのため)
     期日:11月27日
   第5チェックポイント:業務マニュアル作成
     期日:12月2日
   第6チェックポイント:担当者への指導
    (自分以外の者が業務を担当する場合)
     期日:12月4日
  プロジェクト実施期日:12月5日

 計画通りに進めば期限より5日早く実施できることとなりますが、ほとんどの場合、通常業務の合間での改善業務になるかと思いますので、予定していた時間が取れず遅れることも考えられます。ですが、このようにゴールまでのチェックポイントを設定すれば、遅れ気味な場合ピッチを早めるきっかけになりますし、現時点でどの辺りまで進んでいるのかを把握することもできます。

 以上のように、長期プロジェクトであれば実施期限と中間チェックポイントを設定してみる、短期プロジェクトであっても実施期限は設けるようにすることは、業務改善を推進していく上で重要だと考えます。